疲労測定装置(ATMT法)

生体情報を用いた疲労計測ソフトウェア“NNs-MFBI_Ver.1.0.0”
Neural Networks for Monitoring of Fatigue with Biological Information_Ver.1.0.0
*医師及び医療従事者の皆様に感謝を込めて,青色の会社「T-iRECマーク」を使用しています。
<サービスの内容>
 慢性疲労は,種々の心身に関わる疾病,例えば,抑うつ病や生活習慣病などの原因となることが知られている。一般に,疲労は生化学的,生理学的あるいは知覚・認知的指標を用いて計測・評価されてきた。近年,技術の進歩により,個人が血圧,心拍数,血液中の酸素濃度などを計測・管理することができるようになった。これらの生体情報を活用することによって,心身の健康不良によって引き起こされる健康被害(ヘルスハザード)をなくしたいと考えた。
【ソフトウェア取扱説明書】
1. はじめに
 現代の社会では,平均寿命の更新による高度高齢化社会に加えて,急激な“少子高齢化”の社会構造を形成している。このような社会では,健康科学によれば疲労(慢性疲労)は生活習慣病,抑うつや意欲低下を招くだけでなく,痛みや慢性疼痛,ストレスあるいは睡眠障害・睡眠の質低下の間で相互に関係することが報告されている。結果として疲労は生体三大アラーム(疲労・発熱・痛み)の一つでもある。 一方,梶本らは「すべての疲労は脳が原因で発生すること」を報告し,疲労の必須症状「身体的あるいは精神的なパフォーマンスの低下現象」は,唾液,血液,尿,ホルモンなど(生化学的指標),化学物質であるメラトニン濃度や自律神経を介して制御される心拍数,体温や呼吸など(生理学的指標),そしてフリッカー値,TMT法やATMT法など(知覚・認知的指標)によって,感度よく“疲労”計測することができると考えられる。 本ソフトウェアでは,疲労の測定にATMT( Advanced Trail Marking Test )法を用いる。梶本らはすべての疲労は脳が原因で発生することを報告した[2]。そして,疲労の必須症状である「身体的あるいは精神的なパフォーマンスの低下現象」は,唾液,血液,尿,ホルモンなど(生化学的指標),化学物質であるメラトニン濃度や自律神経を介して制御される心拍数,体温や呼吸など(生理学的指標),そしてフリッカー値,TMT法やATMT法など(知覚・認知的指標)の相関関係を明らかにすることによって,感度よく“疲労”計測することができると考えられる。しかも,ゲーム感覚で利用し,結果を自己管理できる。現在までに,厚生労働省から“疲労の測定法”はフリッカー値と呼ばれている方法で,この値と「1ゲーム当たりの総時間」の相関関係は得られている[1]。  
 生体情報を用いた疲労計測ソフトウェア“NNs-MFBI_Ver.1.0.0”とは 医療診断用のソフトではありません。利用方法によっては有効な疲労の計測が可能となると考えられます。  
 本ソフトウェアの活用法 本ソフトウェアを用いて,睡眠時間,睡眠時の心拍数,体温,運動量などの関係を個人レベル,あるいは職場レベルで調査するのも興味深い。本来,疲労感はあいまいで,各種の疲労に関する指標は感覚的で管理しづらい。また,生理学的,免疫学的そして生化学的指標を用いることやそれらのデータを管理することは容易ではない。本ソフトを用いると,客観的かつ数値的な評価が容易になると思われる。  
【注意事項】  
 本資料は出版元㈱ティーアイレックの許可なく,修正・変更及び複写はしてはならない。
【参考文献&研究業績】
[1] 岸田悟:“生体情報を用いた疲労の計測”Bio-Clinica「疲労の医学」, Vol.34, No.14, pp.70-73,DEC. 2019.
[2] 梶本修身:“すべての疲労は脳が原因”,集英社,2016.
[3] 岸田悟・他:“生体情報を用いた疲労の計測に関する基礎研究”,信号処理学会誌,Vol.22, No.5, pp.227-239 (2018).
[4] 広田千賀・他:“地域高齢者を対象とした意義-身体機能との成績についての横断分析-”.日本老年医学会誌.Vol.45, p.647-654(2008).
[5] T.Shimizu, et. al. : “Chaos of Vowel /a/ in Japanese Patients with Depression” :   J. Occup Health, Vol.47, pp.267-269.
[6] United States Patent : 特許番号(8,798,345),特許付与日(2014年8月5日),出願番号(13/496,391),原出願日(2010年8月16日),優先権主張の基礎出願(2009年第215843号)
[7] 日経おとなのOFF,2015年10月号臨時増刊“老化する脳,しない脳”
[8] 婦人公論,2019年9月24日,<特集>予防&発症後のケア,pp.12~33。
[9] ゆうゆう,2019年2月号
[10] “愛と憂鬱の生まれる場所―「脳科学の最先端」が教える人間の感情と行動の「処方箋」―”,ダニエル・G・エイメン著,廣岡結子・訳,はまの出版,ISBN4-89361-295-6.